ベクトルインサイド: 4月 2025   

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2025/04/13

Telecasterのピックアップを交換した話




テレキャスターのピックアップを交換しました。


経緯

元々テレキャスを買いに行った際にAmerican Original とAmerican Professionalを弾き比べて、「音はOriginalだけど弾きやすさはProfessionalの方だなぁ」というところからアメプロの方を買ってピックアップだけ別途を購入して塩漬け…

塩漬けしている間にAmerican Professionalは2の字を冠してAmerican Professional IIとなり、バタースコッチブロンドはアッシュでの製造を終了しパインに。ピックアップもV-Mod IIと変更となりました。
V-mod自体がアメプロからだった気がするんだけど、納得いってなかったんかな。

また、American Originalはライン自体が終了となり、一度ラインが終了していたアメビンがAmerican Vintage II として復活しました。
これに伴い搭載されていたピックアップも
American Original :Pure Vintage‘52 Single-Coil (ピックアップ単体の販売名称がOriginal Vintage Telecaster…らしい)
から
American Vintage II :Pure Vintage‘51 Single-Coil 
へと変更となりました。

ただ、フェンダー社の日本版ウェブサイトでは「Pure Vintage‘52 Single-Coil 」名義でも「Original Vintage Telecaster Pickup」でも売っていませんが、Amazonではまだ流通している様子。
(一応リンクを貼っておきます。)

スペック

そんなこんなでテレキャス本体もピックアップも市場流通では廃盤品となりましたが、まとまった休みがあったのでこれを機に交換してみました。
ちなみにピックアップの説明としては以下のようなことが書かれていました。

■Fender Original Vintage Telecaster pickup set


50年以上にわたってFenderに期待されてきた暖かさとエッジ、そして非常に正確なVinrage Tele Twangを実現する2つのピックアップセット「Original Vintage Fender Telecaster Pickup Set」
これらのピックアップは、アルニコ3マグネットとエナメルコーティングされたマグネットワイヤーを使用して構築されており、1950年代初期のテレキャスターピックアップと同じ材料と仕様となっています。
ブリッジピックアップには、伝統的な銅メッキのスチール製ベースプレートが採用されています。

●エナメル皮膜マグネットワイヤーで、温かみのあるヴィンテージトーンに
●弦のレスポンスを均一にするフラットタイプポールピース
●アルニコ3マグネットを採用し、滑らかなミッドレンジとタイトな低音を実現
●当時と同じクロスワイヤー(出力線)とファイバーボビン
●錫メッキ銅のベースプレート

DC Resistance
Neck:7.2K
Bridge:6.6K


■V-Mod Telecaster Pickup Set

ピックアップの巨匠、ティム・ショウが手掛けたV-MOD ピックアップ。
現代のプレイヤーの求めるサウンドに答えるため、ポジション別に適したアルニコマグネットタイプをブレンドし、ヴォイシングされています。
単体でも組み合わせても、最大限のパフォーマンスを提供します。
ネックピックアップには低音弦側にアルニコ5を使用し、洗練された低音を提供し、
高音弦側にアルニコ2をブレンドすることで温もりと明瞭さを両立させています。
ブリッジピックアップにはパワフルなアルニコ5マグネットのみ使用しています。
それぞれのピックアップは、フェンダー特有のヴンテージライクな温もりと歯切れの良さ、明瞭さを併せ持っています。

DC Resistance
Neck:5.9K
Bridge:7.5K

感想

具体的には上で載せた画像が交換した感触とおおよそ一致していて割と感心しています。
当然っちゃ当然なのかもしれませんが。

Original Vintageに交換してまず感じたのはブリッジ側のPU。
低音側のゴーって音、巻弦のゴリって感触が顕著になったこと、高音側がヒステリックになったことです。高音側は暴れるっていう言葉が正に適切。
ただガツンと歪ませてリフを弾く限り、一概に高音の音量が大きくなったとも言い難く、
高音のキャラクターが大きく変化した、という表現の方が近いと感じています。
おそらくV-modと比較して高音というよりマーシャルでいう所のプレゼンスが増している感じ。
多分テレキャスター/fenderに対して思っていた音がこれだし、高校生のバンド活動で出していそうな音でもあります。

また、その暴れている高音側についてトーンが非常によく効きます。
全開でガレージな音を出せる一方で8割ほどに抑えると扱いやすいままそんなに抜けが悪そうでもなく、半分以下に絞ってもレッド・ツェッペリンっぽいサウンドが出て楽しい。
この部分はV-Modでは感じていなかった部分(トーンを絞っていくにつれ自分の好みではなくなり、積極的にトーンを弄る気が出なかった)
V-modだとボリューム・トーン全開で丁度RATの気持ちいところにスッと入っていたのですが、こっちに換えてイマイチだったんですね。
で、トーン絞ったら納得いくようになり、中々面白いところでした。

他方ネック側のPUについては、どこかのレビューで出ていた
・篭る
・弱弱しく、ブリッジ側との差が大きすぎる
といった感触はなく、逆に音が大きすぎてリアとの案配をとるために結構下げました。
また、篭る感もなく至って普通にフロントの音がしていると思います。

で、センターにした時の音が出色の出来で、V-modでは出なかった音です。
逆に配線間違えたかと思ってYoutubeの試奏動画探して確認したくらい。
よく「テレキャスのセンターの音が独特で好き」って聞くのはこういうことだったんだなぁと遅まきながら実感した次第。

で、V-Modってあかんの?いえいえ。

上で割とOriginal Vintageをほめているのですが、

・トーンを弄る楽しさが増した
・フロント/リアのミックスサウンドが立った

からV-Modより完全上位互換かといえばそうでもなく。
なんというかV-Modはより「モダン」な音で、おまけしてくれる感じがあるんですよね。
Original Vintageで感じるゴツゴツとした低音、キャンキャンつんざく高音が無い代わりに、
フロント~リアまで納得できる範囲でまとまっていて違和感が無い。
細かくノブを弄らなくても両方全開のまま不自由なく弾けるし、何ならこっちの方がどんなジャンルでも違和感なく使えそうな気がします。
仮にギター1本しか持てないとしたら、そのギターである程度の楽曲を賄う必要があるとしたら、V-Modの方がありがたみを感じる人間が多いのではないでしょうか。


翻せばOriginal Vintageの方はそういった器用さを捨てて如何にも「テレキャスターです」と言った音だし、弾いている側に
「いや~、こいつトーンを細かく調整しないと暴れん坊でさ~」とか言わせたいと言わんばかりの仕様です。
※多分ボリュームにハイパスフィルター等がついていないとボリューム弄れば済むところもあると思います。
 私の場合は元からトレブルブリード回路がついているのでトーンに頼ります。

また、交換を繰り返しながら弾いたわけではないので完全に私見ですがちょっとV-Modの方がコンプレッションかかっているような感覚があるんですよね。
なんというか、ミスタッチが目立たない。
Original Vintageがタッチにセンシティブなのかもしれませんが。

口悪く言えば回顧主義で道具に手間をかけるのが好きな人間がOriginal Vintage。
そのギターを道具として使い倒したい人間がV-Modを選ぶのではないでしょうか。


全体的な感想としては、思ってたよりV-Modはよくできていたんだなぁという思いと、Original Vintageの出音がイメージしていたテレキャスターの音だなぁという思いが半分半分です。
交換して良かったかと言われれば良かったし、結果として交換してなくても良かった…
こう書くと後悔しているように見えるのですが、キャラクターが結構変わったし、どっちにも良さがあると感じています。
今回は出音に不満があってというより最初から考えていたことなので、取り換えるまで時間をかけた分V-Mod側の良いところが分かったというところ。
今後出てほしい音が少し変わったらまたV-Modに交換してもいいかも。

蛇足

今回アメプロにアメオリのピックアップを載せてみました。
非常に楽しかったです。
ただ、一番上の写真でもよく見るとわかるのですがピックアップの留めネジがマイナスねじで他がプラスねじなんですよ。
で、ピックアップが-の1・2番、他が+の1・2番と計4種類のねじが混在してる有様です。
見た目も良くないし取り外しがすげぇめんどくさいです。

2025/04/09

Google検索とウェブの今後ってさ

作った本人がすっかり忘れていたこのブログですが、楽器関係の個人的なレビューなどとして再利用したくなりました。

ので、タイトルのことを考えつつブログでエフェクターレビューとかしますよ、という前説をば。


そもそも今もブログっていうのかという疑問を持ちつつですが、コロナ以降、学生時代にやっていたエレキギターを再開したわけですよ。
で、物欲に任せてエフェクターを買ったりするわけですが、昔は山程あったエフェクターのレビューが軒並み無くなってましてね。
こんなに少なかったっけと。

環境面ではジオシティーズだとかSo-net(でしたっけ?)だとか、2000年代にあった個人サイトがサービス提供終了を受けてひっそりと無くなりました。
発信者側はTwitter(現在のXですね)の爆発的な流行を受け、個人の発信は手ごたえとしてのインプレッションが直に感じられるXだとかYoutube、インスタに軒並み流れました。

流行ってないエフェクターを検索しても、デジマートとサウンドハウス以外でヒットするのは怪しげな通販サイトの皮を被ったフィッシング詐欺のページがほとんど。
個人のWebサイトもいくつかは残ってますが、ユーザ体験の最適化というお題目に合わせてSEO対策を頑張ったのがメルカリだとかの商品ページからそのままコピーした詐欺サイトっていうのはなんとも残念な結果ですが当たり前といえば当たり前で。

そもそもアルゴリズムを変えていく検索エンジンに対して検索上位に来れるように努力をする個人っていう存在は2025年現在のエフェクター界隈ではまずいないと思うんですよ。
直接反応を求める人は↑で書いた通りSNSに流れるし、端的に商品単体のレビューであれば大手通販サイトに書いた方が購入を検討している人のためになりますし。
個人で活動していて、その活動の中で固定メンバー同士のやり取りをするくらいが関の山かと。

なので、基本的にはジャンルにもよりますが個人発信としてのウェブサイトって、XやYoutubeで承認欲求がよりダイレクトに満たせる以上、自分の名前を売っていく戦略を立てている人以外には無用の長物となっていくわけで。
結果としてソフト・ハード拘わらず何かを作って発信する以外では現状の通り死滅していくわけですが、好きなんですよね単純に。

一つだけじゃなくて他のレビューとの相関を見て書いた人の重視する部分が分かるし、自分と同じエフェクターを高評価している場合は他のおすすめ(この場合はエフェクター)を検討しやすくなりますし。

誰かの役に立つかはわかりませんが、いくつかレビューを書いていこうと思います。