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2025/05/25

 DOD Gunslinger




壊れたので買い直した

買ったものが壊れた時、無性に腹立たしい気持ちになることがありませんか?
私の場合はメーカーや自分にというよりその機材自体に「もっと頑張らんかい!」てな気持ちになります。
これの場合は最初あまり自分の中での評価が高くなくって、段々と良さが分かってきた時にノイズまみれになったのでその気持ちがひとしおでした。
中古で購入したし、発売時は日本の紹介ページで18v対応って書いてあって本国表示と実際は18v不可っていう状態だったらしいのでひょっとしたらその関係かもしれません。

つい買い直しちゃいましたよね。
新品で買った今回は壊れずに添い遂げてほしい。


新品で(投げ売り価格でなくとも)買う価値はあるペダルだと思います。
実際DODも一回生産終了して再発しているだけに多少の人気はあったんではないでしょうか。そんなディストーションペダルです。
あ、ちなみにLEDは青で点灯するときれいです。



新規の回路ではなさそうだけど、前身とちょっと違う

海外フォーラムだとDigitech SC-2のSaturatedモード側の発展形で新規開発じゃないっていう書き込みがありましたけど(DigitechはDODのデジタル回路主体の部門と考えておけば良いです。母体は同じ。)、
内部の基盤を見るとSC-2って書いてあるんですよね。ちなみにどちらもアナログ回路らしいです。



持ってるんですよね。SC-2も。
で、実際に比べた結果から言うと順当な進化形と言って良いかと思います。
SC-2は一枚膜がかかったような遠い出音だったんですが、Gunslingerの方はクリア。
前段にゲインブーストのペダルを置いた場合もGunslingerの方が反応が良いように感じます。
ただ、ノイズ耐性はSC-2の方が高いですね。
ラジオか何か拾っちゃうもん。Gunslinger。


各ノブの働き


Gain:
9時・11時・13時くらいにそれぞれポイントがあって歪み方が変わります。
~9時もしっかりと歪んでいるんですがミドルが目立ち、High,Lowを12時より手前にしていると懐かしのラジオトーンって感じ
13時以降はバリっとした歪みですがいずれもミドルがしっかり出ているので激烈ドンシャリにはならないかなと

Level:
ゲインで音量が変わるのでここで調整。特筆することは特にないです。

Low:
このペダルの肝はこのLowのコントロールにあります。14時あたりから強目にブーストします。
14時を超えると歪みの質が大きく変わり、Highも同時に強まる感じがします。
この14時前後にノブを置くと急にガサガサっとノイズが載って、ボッって音ともに急にノイズが無くなるので怖いです。壊れるなよ?
なんかのスイッチが確実にこの辺りにあります。

High:
DODのページではLowと同じくアクティブEQのように記載されているのですが、
こちらはLowと違ってあまり大きな変化を感じさせません。
絞っても大きく篭るというよりバイト感の強弱をコントロールする感じ。



肝心のサウンドは?


これねぇ…何とも難しいなぁ…。
使いやすそうな音なんだけど○○系、ではないんですよね。
アメリカンサウンドです。カラッとした歪です。
ミドルはしっかりと出ています。
DS-1をミドルブーストして立体的にした感じって言ったらいいかな…
MXRのBadass '78 DistortionのCrunchボタンを押した時にちょっと近いです。
RATよりはミドルが少ないです。RATより立体感はあります。
前述の通りEQがアクティブなのでドンシャリ目なジャキジャキの音も作れるし、
芯のあるディストーションサウンドも作れます。

割と器用に立ち回れるけど、モダンな音を狙った感じではないんですよね。
ただ、改めて今比較の為に'78 DistortionだとかRATだとかDS-1と並べて弾いてみたところ、
価格の違いなのか一番クリアで、かつ嫌みのだとか癖のない音でした。

怖いのは’78とかDS-1をブースターとしても破綻なくいい音なところ。
多分だいたいどんな歪を前段に置いてもいい音するし、アンプを歪ませてもいい音がします。
スタック前提に作られている感があります。

総じてDS-1やRATを使っていた方に好感触なペダルっていう位置づけに思えます。
同時期にDODから発売されていたオーバードライブ、LOOKING GLASSに喰われがちな存在感でしたが、
いやはや。なかなかどうして立派なものだと思います。