毎度、お久しぶりです…(小声)
さて今回はちょっと趣向を変えてと申しますか、買った指輪のサイズが合わなかったという状況から、
指輪の切断無しに自力でのサイズ調整を行った「やってみた」です。
この手法、あんまりネットで写真付きで出てないのでまぁ書く意味も無くはないかなと。
◆Caution!◆
こういうのが書かれているのを見るとウザいと思う側の人間なのですがごめんなさい。
あくまで今回のサイズ調整は素人が自己責任で行った行為のレポートなので、
もしご自身でやる気になったらよくよく調べて自己責任でね!!
今回の対象になったのは上のリング。
丁度引退のニュースが流れた後に買ったAnn Demeulemeesterのシルバーリングです。
これと一緒にあと二つばかり買い物をしたのですがそれは後日ご報告(できたらいいな)。
こちら、私が店舗に見に行った時には既にワンサイズしか全国に在庫が無く、それでもデザインがとても良かったので買ったのですが、薬指はぴったりでも親指に付けようとすると結構痛みを伴い…
二日続けて付けたところ、節の部分がちょっと腫れてきてこれは調整しなければヤバいと思いました。
しかし、電話で確認したところ、この記事を書いている時点ではAnn Demeulemeester表参道店でのリングのサイズ調整(大きくする)の手法は以下の二つ。
1.リングをカット。サイズを広げて新しく銀を足して溶接(小さくする場合とほぼ同じ)
2.リングの内側を削る。但し刻印等が磨耗してなくなる可能性アリ
んじゃあどっちもリングの雰囲気変わる可能性あるじゃんと。
1をしてせっかくのデザインといぶしが変わったら怖いし、2で刻印無くなって偽物みたいになるのも…
と、ちょっと受け入れられずに色々ネットで探っていたところ、大きくするためのナイスアイディアを発見しました。
こちらの方法を元にトライしたところ見事成功したので、リンク先では載っていない写真付きでご紹介です。
せめて付加価値()を付けんと。というか、備忘を兼ねて。
さてさてそんでば実践篇!!
■概略
簡単!超簡単!!
芯金棒という棒にリングを入れて、当て木をした上からハンマーでガンッ!!
ただ下で紹介する方法だと0.5-1号ちょっとくらいを大きくするくらいまでが推奨らしい。
それ以上もできないことはないんだろうけど、要は内側から引き伸ばしをかけているわけだから、
組織構造が緩くなるとか、よくわかんないけどコワイ。
■道具
基本的に使用するのはハンマー・芯金棒・木板です。
あとは右下に転がってるような参考にするためのゲージリングや、どこまで大きくするかの目安に使うセロテープとか付箋みたいなのがあれば尚可。
アルトベンリーってやつですね。
ざっくり解説
◇ハンマー
これは木槌なのですが実際当て木をするなら金属ハンマーでもよか気がしますが、万一リングにあたっちゃった時のことを考えると木製ハンマーの方がリングへのダメージが少ないのでオススメ。
大きさは小ぶりなやつで十分よ。
◇木板
当て木として使います。ハンマー>当て木>リング の順。これは、ある程度硬い木を使わないと一回の使用でベッコベコになります。
銀って柔らかいようでやっぱり金属なんだなぁと。
ただ、柔らかいほうが衝撃を分散して伝えるからリングが傷になりにくいのかもしれない。
お近くにホームセンターがあるなら(一回の使用ごとに買えるなら)柔らかいほうがいいのかも。
◇芯金棒
芯棒ともいうらしい。アルミでできているようなリングのサイズを測るサイズゲージ棒とは違いこちらは鋼鉄製。
木製とかアルミ製だとハンマーでリングを押し込んだ時点で多分棒がベコベコになります。
何度か使用する予定があるなら鉄製のなかでも「焼き入り」が良いらしいです。
私は1-30号用の焼き入り芯金棒を購入しました。
◆購入の基準◆
リング用に使うにあたっては小さい号数から大きい号数へテーパー(角度)の緩いものの方が
調整したい長さにしやすいらしいです。
なので、
・長さが長く
・始まりの径から終わりの径までの大きさの差が少ない
ものの方が作業しやすい(サイズズレが起こりにくい)のです。
つまり、どこのとは言いませんが 10Φ-25Φ 380mm と 1-30号 380mm があったとしたら、
後者の方が長さを合わせる分には良い道具のようです。
(金属としての強さとか使いやすさは分かりませんが)
通販可能なところだとシーフォースとか東急ハンズで売ってますの。
こんなんね。重い。
実際、サイズ入りだと一気に高くなります。
私は下に書いたリングゲージを持っていたのでそれとセロテープで代用しました。
◇リングゲージ
リングゲージとは:指輪ゲージとも。日本サイズの指輪の各号の指輪が連なってるもの。アクセサリー屋さんなんかで「自分の指の大きさがわかんなくて~」とかいうと出してくれることもある。
私は下のリンクのものを既に持ってたので使いました。
一応メーカーの明工舎製作所というところがこの分野で割りと大手だったのと、実際アクセサリー屋さんなんかにも納入されているということで。
尚、この「平打ゲージ」の方は男物によくある太いリングを着けるときに参考にする道具です。
もっとリングの幅が細くて華奢な指輪でのサイズを測るなら、「甲丸リングゲージ」ですとか、
普通の「リングゲージ」にしないと若干ズレが生じるみたい。
◇セロテープ
いわずもがな。付箋でも何でもいいです。
芯金棒に大きくしたいリングを入れる→アタリをつけて何度かサイズゲージのリングを入れる→
大きくしたいリングの大体の大きさが分かるので、それより一号大きいサイズゲージリングを入れる→
ゲージリングが入った下限が大きくする目安!!
的な使い方。
こんな風に大きくするリングを入れてセロテープでアタリをとり
大きくしたいリングをここまで下ろせば(大体)同じ太さです
作業方法(打ち方)
○良かった打ち方
こんな風に木板を縦にして上から打ち込むよ
なるべくリングの中心部に木が当たる(衝撃が伝わる)よう注意。
リングの出っ張りのところに当たると下向きに曲がってしまいます。
なお、片面からのみ打つとリングが台形になってしまうので適宜ひっくり返し、また打つポイント変えるためにリングくるくる回しながらがオススメ
×悪かった打ち方
木板を横にして打った。正直アカンかった。
衝撃がブレてズレて効率悪いことこの上なしでした。
作業に向いていないリング?
①リングの全周でデザインが上下に張り出したリング
こちらは、ほら、リング叩くときに出っ張り部分がひしゃげる可能性があるので。
上手い方法知ってる方、教えてください。
②芯金とマッチしないリング
右のほうです。私の購入した芯金は円なのですが、こちらのリングは輪が楕円なのです。
この状態で上下に空きがあります。
このまま叩くと形が崩れる上に、サイズ感の調整がちょっと叩いては指に入れ、って形になるのではないかと。
まぁ、必要とあらばやりますけど、こういったシンプルな形なら私は切断してお直しかなぁ
蛇足
さて、長い記事にお目通し頂きお疲れ様でございました。
今回はリングを切断せずにサイズ調整をして「大きくする」方法を紹介しましたが、
じゃあサイズを小さくする方法は?
というと、こちらも基本的には
一旦リングを切断し、余計な大きさをカットしてから小さい号数の大きさに丸め、溶接する
というものです。
私としてもデザインが全周回っているものにこれやりたくないのでまたもネットを探していたところ、
・指輪の内側にマニキュアのトップコートを塗る(0.5-1号程度小さくできる)
・金属を溶接して内側の大きさを(物理的に)埋める
といった方法も見られました。
特に上の方法は即実行できて魅力的ですね!
また、下の方法の発展系がこちらのブログに紹介されておりました。
写真で見る限り、解決方法が結構カッコイイというか、デザイン的にむしろ欲しいくらいだったので勝手にご紹介。
さて、それではまた次の機会に。